Frequency Feeling... - 機械式腕時計のファンブログ

機械式時計とは、その動力源として電池(電力)を使用せず、ぜんまいばね(薇発条)を動力源として、歯車などの組み合わせにより動作する腕時計のことです。一方で電力などによって水晶振動子から取り出した振動を基に時刻を表示する時計をクォーツ式時計といいます。

電力や制御用集積回路、あるいは標準電波を利用した時間の補正を行わず、機械のみで時計として必要な精度を出すためには、高度、かつ精密な部品加工技術に加え、その機械の組み込み時においても、熟練した職人による細かな調整が必要となり、オートメーションで製造が可能なクォーツ時計に比べ販売価格が高額になります。

ただし、スウォッチが2013年に発表した「Sistem51(システム51)」という、機械式腕時計ながら組み立てまでをすべてオートメーション化し、メンテナンスフリー(オーバーホール不可でムーブメント交換になります)と低価格を実現した商品も存在します。

機械式腕時計には、そのぜんまいばねの巻き上げ方法によって、大きく2つの方式に分類されます。

手巻き式

手で竜頭(りゅうず)を回してぜんまいばねを巻き上げる方式の機械式腕時計です。巻き上げたぜんまいばねがすべてほどけた時点で時計は停止しますので、定期的な巻き上げが必要です。

パワーリザーブは短いもので40時間程度。長いものだと8日間程度持つものや、もっと長いものも存在します。

機械式腕時計としては基本と言える仕組みで、毎朝竜頭を巻き上げる瞬間が至福という機械式腕時計愛好家も多く存在します。また、自動巻式に比べてムーブメント全体を薄く作ることが可能になるため、薄型ケースを売りにしたモデルなどではあえて手巻き式という場合も少なくありません。

自動巻式

ユーザーの腕の動きで回転するローター(回転錘)がばねぜんまいを自動的に巻き上げる方式の機械式腕時計で、「オートマティック」と呼ばれることもあります。

腕につけてさえいれば、自動的に巻き上げられるため、時計が止まることを気にする必要はなく、また常にぜんまいばねが巻き上げられていることでトルクが安定し、精度的にも安定する傾向があります。

ただし、例えば1日中デスクワークでほとんど腕を動かさないような方が自動巻式の腕時計をつけると、巻き上げが不十分になって時計が止まったりする場合もあります。

なお、腕時計によってはローターによる自動巻き上げしかできないものと、竜頭を回すことによる手動巻き上げと併用できるものが存在します。