1972年に当時のホイヤー社(現 タグ・ホイヤー)のCEOだったジャック・ホイヤー(Jack Heuer)氏から、F1ドライバーの故 ロニー・ピーターソン(Bengt Ronnie Peterson)選手に送られた記念の18金イエローゴールド カレラ(ベースモデルは Ref.1158)が先日ジュネーブで開催されたサザビーズのオークション(Sotheby's Important Watches)に出品され、225,000 CHF(スイスフラン)で落札されたとのこと。日本円にすると約2,500万円。
Photo by TAG Heuer
ホイヤーの自社製自動巻きキャリバー「Cal.12」(17石)を搭載したK18イエローゴールドのカレラ(Ref.1158)は1960年代後半から70年代にかけて市販されていました。かなりのバリエーションがあり、年代によって定価も大きく変わっているようですが、上記リンク先の記事(TAG Heuerの公式サイト)によると、市販モデルの当時の販売価格は 950 CHFとのことなので現在の為替レートだと10万円ちょっとなのですが、当時の価値だと30~40万円くらいになるんでしょうか。
ちなみに現在この Ref.1158 を手に入れようとすると、概ね300~400万円程度が相場のようです(海外のアンティーク腕時計専門店のWebサイトを簡単に調べてみたところ)。
今回落札されたカレラは、K18イエローゴールドのケースとブレス仕様。文字盤もゴールドで、積算計の文字盤がブラックになっています。ケースバックには「"Success" Ronnie Peterson from Jack.W.Heuer」の文字が刻まれ、記念のインゴット(100g)も付属しています。
ロニー・ピーターソンは1971年にF2のヨーロッパチャンピオンを獲得し、F1にステップアップ。そのデビューイヤーとなる同年にチャンピオンシップ2位となり、期待の新星として期待されたものの、翌年、1972年のF1チャンピオンシップはマシンの不調に苦しみ、彼にとっては不本意なシーズンになりました。
この年はニュルブルクリンクで開催されたドイツGPで3位。同シーズン唯一の表彰台を獲得していて、その時の活躍を記念して当時スクーデリア・フェラーリF1チームの公式時計を担当するなど、F1と深い関わりがあったホイヤー社から送られたのが今回の腕時計です。
Photo by Sotheby's
ロニー・ピーターソンは残念ながらその後、1978年のイタリアGPで起こった事故が原因で亡くなりますが、そのドライビングで多くのファンを熱狂させた往年の名ドライバーです。とはいっても彼の全盛期、私はまだ生まれていないのですが......