Frequency Feeling... - 機械式腕時計のファンブログ

15本厳選「フォーマル & シンプルをテーマに選ぶ、アンダー50万円の機械式腕時計セレクション」 - 前編

ベタな感じですが、ちょっとこういう記事を前から一度書いてみたかったんです......

さて、社会人になってある程度経つと、スーツに合わせてきちんとした腕時計を1本くらい持っておこうかななんていう時期が来ると思います。

20代後半くらいの、特に営業などでお客さんの前に出ることの多い職種の方だと特にそういう傾向があると思いますし、そうでない方でも、そのくらいの歳になると冠婚葬祭(特に結婚式が多いですかね)でフォーマルな服装をしないといけない機会も増えたりして、そういうときにスーツに合わせる腕時計が必要かなと思えるようなタイミングが来るかもしれません。

そこで、今回は完全に私の独断と偏見に基づきではありますが、50万円以下で購入できる、フォーマルな服装にマッチするシンプルな3針タイプの腕時計を15本、取り上げてみたいと思います。

なお、「50万円以下」という条件は、各ブランドの国内定価ではなく、並行輸入品を含めて、概ね日本で手に入れた時の最多価格帯を基準にしています。50万円以下という価格帯は、初めて本格的な機械式腕時計を購入する際の上限かなと個人的には思いますし、そのくらい予算があるとかなり選択肢が増えるというのもあります。とはいっても50万円でも普通の人には結構な金額ですので、今回はなるべく実売30万円以下で購入できそうなものを中心に選んでみました。

  • 対象: 男性(20代半ば~30代前半)
  • 予算: 50万円以下(なるべく30万円以下を中心にセレクト)
  • デザイン選定基準: フォーマル(冠婚葬祭・スーツ着用時など)な服装時に合わせやすいもの。今どきっぽい40mm前後のサイズを中心に
  • 機能選定基準: 自動巻きのシンプルな3針を中心に。防水性能は重視していない

タイトルの通り、15本セレクトしたのですが、1記事に15本書いてみたらものすごく長くなってしまったので、前編、後編に分けてお届けします。まずは前編ですが、定番ブランドを中心に。後編は少しマニアックなブランドも混ぜてみようと思います。

なお、紹介した腕時計の実際の販売価格がわかるように、文中から楽天とAmazonで検索した結果にリンクを張っていますので参考までにどうぞ。ただし、検索結果が必ず紹介したモデルだけとは限りませんのでご注意ください。

1. ロレックス オイスター パーペチュアル 39

予算: 45万円~50万円

ロレックス オイスター パーペチュアル 39

初っぱなから定番中の定番ですが......

予算50万円でロレックス(Rolex)の現行品を手に入れようとした場合、選択肢はこれ一択になります。「オイスター パーペチュアル(Oyster Perpetual)」は、ケースサイズのバリエーションが豊富で、39mm、34mm、31mm、26mmという4種類のサイズバリエーションに加え、ベゼル素材、ベゼルデザイン、文字盤カラーなどの組み合わせによる豊富な選択肢の中から、自分好みのモデルを選択できる点が楽しみのひとつでしょう。

その中でも39mmケースモデル「Ref.114300」を今回はピックアップ。

2015年に現在のラインナップに刷新された「オイスター パーペチュアル」コレクションの39mmケースモデル「オイスター パーペチュアル 39(Oyster Perpetual 39)」は、ムーブメントにロレックス自社製自動巻き「Cal.3132」を搭載し、パワーリザーブは48時間。

このムーブメントは、耐磁性ブルー パラクロム・ヘアスプリングや高性能パラフレックス ショック・アブソーバを搭載した高精度クロノメーターで、日差(+/-)2秒という高精度を誇ります。

ケース素材はステンレススティールで、100m防水。ブレスも同じくステンレススティールのオイスターブレスレット。ベゼルはスムースベゼル。

上記写真のダークロジウムの文字盤はシンプルなバーインデックスで渋めなデザインながら、ワンポイントのブルードットが少しスポーティな印象を与え、若い方にも似合うデザインになっていると思います。その他、レッドグレープダイアルとブルーダイヤルの設定もあります。

「オイスター パーペチュアル 39」は並行輸入品で概ね予算ギリギリの50万円弱(国内定価は 583,200円)。かなり頑張って購入しないといけない価格ではありますが、ロレックスなら腕時計に興味のない方でも名前くらいは知っているブランドですし、折角高い腕時計を買うなら有名ブランドで、多少のステータスも感じたいという方でも満足できるのではないかと思います。

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もし、39mmケースは大きすぎるという場合は、1サイズ下の34mmケースモデルを選択するのもよいと思います。34mmケースはバーインデックスだけでなく、ローマ数字、アラビア数字のインデックスが選択できますし、ホワイト・ロレゾール(ステンレススティールケースにホワイトゴールドベゼル)のフルーテッドベゼルも選択できますので、好みによって色々選べます。

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2. ボーム & メルシエ クラシマ 10214

予算: 20万円~25万円

ボーム & メルシエ クラシマ 10214

ボーム & メルシエは創業1830年の老舗ブランド。「いかなる妥協もせず、最高品質の時計だけを作る」という哲学を貫き、美しいデザインと高い技術力を誇りながら、比較的手の届きやすい価格帯のコレクションが多く、高い人気を獲得しています。

その中でもクラシックとモダンをバランスよく組み合わせたボーム & メルシエの「クラシマ(Classima)」コレクションは同社のベストセラーコレクションとして人気があります。

ラウンドシェイプした40mm径のステンレススティールケース(シースルーバック仕様)を採用した「クラシマ 10214(Classima 10214) MOA10214」は、美しいブルースティール針に、ライン上のギョーシェ彫りを施した文字盤が特徴的で、ダークブラウンのアリゲーターストラップ(プッシュ開閉式フォールディングバックル仕様)が組み合わさることでとても上品でシャープな雰囲気になっています。

搭載される自動巻きムーブメントはパワーリザーブ38時間。

国内定価が255,000円(税別)ですので、概ね20万円~25万円程度の予算で手に入れることができます。この価格帯でこの品質の腕時計が手に入ることは素晴らしいと思います。

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ラインナップとして、ステンレススティールブレスレット仕様の「クラシマ 10215(Classima 10215) MOA10215」、レッドゴールドベゼル仕様の「クラシマ 10216(Classima 10216) MOA10216」も設定されています。

3. ボール・ウォッチ トレインマスター クリーブランド エクスプレス

予算: 15万円~20万円

ボール・ウォッチ トレインマスター クリーブランド エクスプレス

ボール・ウォッチ(Ball Watch)はアメリカで創業し、オハイオ州クリーブランドを拠点に鉄道時計で成功した歴史のある時計ブランドです。現在の本社はスイス。

鉄道員のための時計からスタートしていることもあり、耐衝撃性を重視した作りや、視認性を重視したアラビア数字インデックスが特徴的な腕時計を多くラインナップしています。視認性といえば、自発光のマイクロ・ガスライト(3H)を採用した夜光もボール・ウォッチの特徴のひとつです。

その中でも「トレインマスター」シリーズは、伝統的な「アメリカ鉄道時計」の文字盤デザインをモチーフにしたクラシカルウォッチのコレクション。

ニューヨークセントラル鉄道の特急列車「クリーブランド エクスプレス」の名前を冠した「ボール・ウォッチ トレインマスター クリーブランド エクスプレス(Ball Watch Trainmaster Cleveland Express) NM1058D-LCJ-SL」は、1930年代に生産された同社のデスクウォッチからインスピレーションを得たというエレガントなデザインが特徴で、フォーマルな服装にも合わせやすい高級感が漂います。

COSC(de Controle Official Suisse Chronometres / スイス公式クロノメーター検査協会)認定クロノメーターを取得した自動巻きキャリバー「RR1102-C」を搭載し、ステンレススティールの41mmケースにステンレススティールのブレスレット、またはクロコダイル レザーストラップを組み合わせることができます。ケースバックはシースルー。文字盤はブルー、シルバー、グレーの設定があります。

国内定価が205,000円(税別)ですので、並行輸入品であれば15万円程度で手に入れることが可能です。アンダー20万円で手に入る腕時計としては高い品質を誇りますのでクラシカルな雰囲気が好きな方にはお勧めです。

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4. フレデリック・コンスタント クラシック スリムライン オートマチック

予算: 20万円~25万円

フレデリック・コンスタント クラシック スリムライン オートマチック

先日、シチズン傘下に入ることが発表されたフレデリック・コンスタント(Frederique Constant)ですが([参考記事](/article/160528105157/))、1988年創業の新興ブランドながら、高品質な腕時計を手に入れやすい価格で提供し続けるマニュファクチュール。

「クラシック スリムライン オートマチック(Slimline Classics Automatic) FC-306MC4S36」は、その名の通り、薄型ケースを採用し、TPOを選ばないシンプルなデザインが特徴。

ステンレススティールのケースサイズは39mm。シースルーバック仕様で3気圧防水(日常生活防水)です。搭載される自動巻きのキャリバー「FC-306」は、パワーリザーブ42時間。

ギョーシェ彫りが施されたシルバー文字盤にブラックアリゲーターストラップが組み合わされ、コインエッジ装飾が施されたケースと相まってクラシックな雰囲気、かつ高級感が漂います。

国内定価は250,000円(税別)。イエローゴールドケースにブラウンアリゲーターストラップを組み合わせた「FC-306MC4S35」も国内定価 280,000円(税別)で用意されていますので好みで選択できます。

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ちなみに、レデリック・コンスタントといえば「ハートビート」と呼ばれる文字盤側からテンプの動きが見える小窓のデザインが特徴なのですが、今回紹介した「クラシック スリムライン オートマチック」に「ハートビート」を組み合わせた、「クラシック スリムライン オート ハートビート(FC-312MC4S35 / FC-312MC4S36)」が2016年7月に発売予定です。

クラシック スリムライン オート ハートビート(FC-312MC4S35 / FC-312MC4S36)

  • 上記写真左:イエローゴールドケースの「FC-312MC4S35」- 国内定価 285,000円(税別)
  • 上記写真右:ステンレススティールケースの「FC-312MC4S36」- 国内定価 255,000円(税別)

上記の通り、予算的には変わりませんので、ハートビートが好みという方は少し待ってそちらを選択するのもよいと思います。

5. グランドセイコー SBGR051

予算: 35万円~40万円

グランドセイコー SBGR051

日本製も入れておかないとということで、グランドセイコー「SBGR051」をピックアップ。シースルーバック仕様の37mmサイズ ステンレススティールケースに、自社製自動巻きキャリバー「9S65」を搭載。パワーリザーブは72時間(3日間)と十分。

デザイン的に、若い方にはちょっとおじさんくさいのが玉に瑕ですが、日本製ならではの品質と価格のバランス感、飽きの来ないシンプルなデザインで、長く使える腕時計かと思います。

定価は400,000円(税別)ですので、量販店であれば35万円程度から購入可能かと思います。

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もし、もう少しクラシカルなデザインの方が好みという方には「SBGW031」という選択肢もよいかもしれません。パワーリザーブ 72時間の自動巻きのキャリバー「9S64」を搭載し、ベージュの文字盤にクロコダイルストラップを組み合わせたモデルで、定価 430,000円(税別)と、ほぼ同価格帯で手に入れることができます。

グランドセイコー SBGW031

6. ハミルトン ジャズマスター ビューマチック オート

予算: 10万円~15万円

ハミルトン ジャズマスター ビューマチック オート

ハミルトン(Hamilton)は1892年にアメリカで創業した時計ブランドで、現在はスウォッチ・グループ傘下で、主にミドルレンジ価格帯の腕時計を製造・販売しています。

ハミルトンというとミリタリー腕時計のイメージが強いのですが、「ジャズマスター(Jazzmaster)」シリーズは、エレガントな雰囲気をまとったコレクションになってます。

今回ピックアップするのは「ハミルトン ジャズマスター ビューマチック オート(Hamilton Jazzmaster Viewmatic Auto) H32755551」。シンプルで飽きのこないデザインに、ポリッシュとヘアライン処理を巧みに使い分けた美しいケース仕上げが特徴です。

44mmサイズのステンレススティールケース(シースルーバック仕様)に自動巻きのキャリバー「H-10」を搭載。パワーリザーブは80時間。

国内定価は135,000円(税込)と、非常にリーズナブル。若い方が初めて購入する機械式腕時計としては値段も手頃でとてもお勧めできるモデルだと思います。

なお「H32755551」は、2016年の新モデルですので、現状では日本で入手するのは難しいかもしれませんが、正規代理店などであれば近日手に入れられる可能性はあるかもしれません。

ハミルトンの正規代理店としてはランドホーさんが有名ですが、本記事執筆時点で、文字盤やストラップ違いのバリエーション「H32755731」や「H32755851」の取扱いがすでに始まっていましたのでチェックしてみるとよいかもしれません。

7. ロンジン マスターコレクション L2.628.4.78.6

予算: 15万円~20万円

ロンジン マスターコレクション L2.628.4.78.6

かつては世界初のフライバック機構を開発するなど、マニュファクチュールとして名をはせたロンジン(Longines)ですが、現在はスウォッチ・グループ傘下で一般にも比較的購入しやすい範囲のハイレンジ価格帯を担う身近な腕時計ブランドとして広く知られています。

今回ピックアップするのは、「ロンジン マスターコレクション(Longines Master Collection) L2.628.4.78.6」。 38.5mmサイズのステンレススティールケース(シースルーバック仕様)に、ETA社製自動巻きムーブメント「ETA2892A2」をベースにした「Cal.L619」を搭載。パワーリザーブは42時間。

シルバーの文字盤にブルーのスティール針の組み合わせがシンプルながらお洒落です。

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8. オリス クラシック デイト

予算: 10万円~15万円

オリス クラシック デイト

オリス(Oris)は1904年創業の老舗ブランド。文字盤周辺に日付表示を配し、専用の針で日付を読み取る「ポインターデイト」(1938年)をはじめ、個性的なデザインや技術に特徴があります。

日常使いできる比較的低価格な機械式腕時計のブランドとしてはナンバーワンとも言える地位を獲得しており、廉価ながら高い品質を確保し、機械式腕時計の入門用として最適なラインナップを数多くそろえています。

オリス クラシック デイト(Oris Classic Date)は、42mmサイズのステンレススティールケース(シースルーバック仕様)に、自動巻きムーブメント「Oris Cal.733(SW200-1 ベース / パワーリザーブ38時間)」を搭載したシンプルな3針モデル。

ギョーシェ彫りが施されたブラックの文字盤がクラシカルな雰囲気を醸し出しつつ、ブラックのレザーストラップと組み合わせることで精悍なイメージになっています。

国内定価は128,000円(税別)ですので、10万円前後で購入することが可能で、若い方が初めて購入する機械式腕時計としても最適な選択肢になると思います。

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余談ですが、この「オリス クラシック デイト」に非常に雰囲気が似ている他ブランドの腕時計としては、「ティソ(Tissot)」の「ラグジュアリー オートマチック COSC クロノメーター認定モデル(Luxury Automatic Gent COSC) T086.408.16.051.00」があります。予算10万円前後で購入できる、COSC(de Controle Official Suisse Chronometres / スイス公式クロノメーター検査協会)認定クロノメーターということで、コストパフォーマンスが高いと思います。


さて、ここまでで半分の8本を紹介しましたがいかがだったでしょうか。それでは[後編](/article/160602220618/)に続きます。

後編はこちら

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