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スウォッチの低価格・メンテナンスフリー機械式腕時計コレクション「Sistem51」に金属ケースモデルが登場

今から約3年前の2013年ですが、スウォッチ(Swatch Group)は、Baselworld(バーゼルワールド)で、「Sistem51(システム51)」と呼ばれる機械式腕時計コレクションを発表しました。

スイス製の機械式腕時計ながら、組み立てまでをすべてオートメーション化し、メンテナンスフリー(オーバーホール不可で故障時はムーブメント交換になります)と低価格(日本での販売価格は18,360円/税込)を実現した「Sistem51」は、スウォッチならではの機械式腕時計に対するひとつの革新といえるものでした。

今回、この「Sistem51」に、新たに金属ケースを採用した「Irony」コレクションが加わることが発表されています。発売開始は9月9日(まずは米国からとのことで、日本での発売時期は不明です)、価格帯は195ドル~235ドル(日本円で19,500円~23,500円ですが、国内定価は不明)とのこと。

Sistem51 Irony(金属ケースモデル) - Swatch

元々、Sistem51は、クォーツ版の通常スウォッチと同様、プラスティックケースのラインナップとなっていました。半透明のプラスティックケースと多くのカラーバリエーションによる、ポップなデザインが特徴だったわけですが、一方でこれをおもちゃっぽい、子供っぽいと感じる方も多いかもしれません。

今回、従来の低価格を維持しつつ、ステンレススティールケースがラインナップに加わることで、よりファッションに合わせたコーディネートの幅が広がったのではないかと思います。

実はスウォッチのコレクションには「Irony」というステンレススティールケース仕様のコレクションもありましたし、「Automatic」という機械式腕時計のラインナップも存在しているのですが、「Irony」はケースが金属というだけで中身は通常のスウォッチ同様のクォーツ。「Automatic」は3種類のラインナップのみというイレギュラーっぽいコレクションでしたが、Sistem51で両方のいいとこ取り的なコレクションが展開されることになると思われます。

Sistem51 Irony(金属ケースモデル) - Swatch

Sistem51に搭載されるのは手巻きも可能な自動巻きムーブメント。21,600振動/時、パワーリザーブ90時間、日差約+/-10秒という性能。シンプルな三針で、3時位置、もしくは6時位置にデイト表示というのが基本的な構成になります。

日本でもセイコー社などは、低価格な機械式腕時計のラインナップを現在も持っていますが、15,000円~2万円程度で買える低価格の機械式モデルは海外向けに注力しており、国内では比較的選択肢が少ない現状があります。

Sistem51はもちろん、審美性や機能、あるいは所有することによるステータスを楽しむような腕時計ではありませんが、手頃な価格で機械式腕時計を楽しめるという点で、若い人にもファッション感覚で機械式腕時計に触れる機会をもたらす選択肢が増えることは良いことなのではないかと思います。

1点注意が必要なのは、Sistem51のストラップは、スウォッチでも採用されている特殊なラグ形状に対応するもので、専用品です。ですので、ストラップだけ社外の好みのものに変えるということができません。

スウォッチ用のストラップなら恐らく取り付け可能ですが、レザーベルトで好みのものを装着したい場合などは選択肢がほとんどないですので、その点はあきらめが肝心かもしれません。

追記

Swatch® 公式オンラインショップでの販売が開始されています。