タグ・ホイヤー(Tag Heuer)が昨年、「コネクテッド(Tag Heuer Connected)」でスマートウォッチに参入しましたが、スイスの伝統的な腕時計ブランドがまた1社、スマートウォッチ分野に参入です。
「モンブラン(Montblanc)」は同社初となるスマートウオッチ「モンブラン サミット(Montblanc Summit)」を発表しました。モンブランというと万年筆のイメージが強いと思いますが、名門腕時計・ムーブメントメーカー「ミネルバ」を傘下に置き、近年は時計作りについても、元ジャガー・ルクルトのCEOとして辣腕を振るったジェローム・ランベール氏のもと、精力的に活動しています。
さて、そんなモンブランが満を持して発表した「サミット」。OSは最新の「Android Wear 2.0」。SoC(System on a Chip)にはクアルコム社の最新チップ「Snapdragon Wear 2100」を採用し低消費電力化が測られています。
ハードウェア性能としては「Bluetooth 4.1」「Wi-Fi 802.11 b/g/n」での接続に対応。1.39インチ(400×400)サイズの円形 AMOLED ディスプレイ、512MBのメモリ、4GBのフラッシュストレージを搭載し、バッテリーライフは24時間。
搭載される機能は「バイブレーション」および「マイク」、「心拍モニター」「Gセンサー(加速度計)」「ジャイロスコープ(位置情報)」「コンパス(方位)」「バロメーター(気圧計)」「光センサー(パワーモード)」。
IP68規格の耐水性能を誇るこのスマートウォッチは、46mmサイズケースを採用。興味深いのはスマートウォッチとしては異例のドーム型サファイアガラスを風防に採用していること。サファイヤガラス風防自体はミドルレンジ以上の腕時計では別に珍しくはないのですが、スマートウォッチに採用したのは恐らくモンブランが初だと思います。この辺に老舗ウォッチメゾンとしてのこだわりが見てとれますね。
また、特徴的なのはそのデザイン。同社の人気コレクションである「1858」コレクションからインスピレーションを得たデザインが採用され、デジタル画面に表示されるウォッチフェイスにも「1858」コレクション同様のヴィンテージなデザインが採用されています。そのおかげで他のスマートウォッチとはひと味違った趣を醸し出しています。
ケースの素材・仕上げとしては、ブラックのPVDコートが施されたステンレススティールケース、サテン仕上げのステンレススティールケース、ブラックベゼルとステンレススティールケースのコンビネーション、さらにサテン仕上げのグレード5チタンケースという全4種類がラインナップされ、それぞれストラップとの組み合わせで23通りのバリエーション。予定販売価格は10万5840円~12万7440円となっています。
ストラップにはワンタッチで簡単に交換できるクイックリリースシステムが採用され、オプションで用意される様々なストラップに簡単に交換して楽しむことができそう。スマートウォッチの機能を利用しながら、ファッションとしての腕時計も楽しめる作りに。
スマートウォッチとしての性能的には特に目立ったものはなく、価格的にも高額な部類に入りますので、これが刺さる層というのはそれ程多くはないと思いますが、どうせスマートウォッチを持つならこだわりたいという方には絶妙な価格設定な気がします。普段ハイエンドな機械式腕時計を見慣れている人からすれば低価格帯ですし。
まさに最先端の技術と、伝統的な腕時計作りの融合とも言えるこのモデル。スマートウォッチに関しては過去に下記のような記事を書いているとおり、個人的にはウェアブルデバイスが進化していく課程における過渡期のデバイスなのかなと思っているわけですが、とはいえ今回のモンブランの試みはなかなか面白いなと思いました。
発売開始時期は今年の5月を予定。モンブランブティック、およびオンラインショップからの購入が可能とのことです。