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本気の機械式腕時計教科書「基礎時計読本(新装改訂増補版) Kindle版」

初版は1967年という非常に古い書籍。当時、職業訓練所の時計修理科教師だった著者の小林敏夫氏が、自らの経験と欧米の時計教科書を参考に作成した機械式腕時計の基礎をすべて詰め込んだ大著。

基礎時計読本 (新装改訂増補版) Kindle版

時計の歴史から脱進機の製図や調整、香箱やゼンマイのしくみ、調速理論など、時計学の理論と機械式時計のメカニズムをイラストと共に徹底詳説する内容で、もう完全に教科書ですから、楽しく読むというよりも機械式腕時計について本気で学びたいという人向けの内容になっています。

1967年刊行の書籍版はすでに絶版になっていることもあり、新品が手に入りません。また、2011年にも新装改訂増補版として新たに刊行されていますが、これもすでに絶版。結果として古本市場やヤフオクなどでは数万円で取り引きされているようですが、元々は7,000円の書籍ですのでかなりのプレミア価格になってしまっています。

この現在では入手困難な書籍を電子版として発行したのが本書。2011年刊行の新装改訂増補版と内容は同じですが、電子版刊行に際して少し古い表現を現代風に修正したり、誤りを修正したりと一部改訂が入っています。さらに価格も5,400円と安くはないですが購入しやすい価格になりました。

前述したとおり、プロの方が読むレベルの教科書ですので、気軽に読んで、機械式腕時計の仕組みがなんとなくわかりますというレベルではありません。ですが、本気で機械式腕時計の仕組みや理論を勉強したいという方には必読の内容となっています。

なお、本書同様、本気の機械式腕時計技術書に「標準時計技術読本」があります。こちらもすでに絶版で入手は困難なのですが、こちらも電子化が現在検討中とのことで、将来的には電子版で読める日が来るかもしれません。