オフィチーネ パネライ(Officine Panerai)は、ルミノール 1950 コレクションの新作として、カーボンを使用したハイテク複合素材を駆使し、なんと「50年」という長期の保証期間を実現した「LAB-ID™ ルミノール 1950 カーボテック 3デイズ(LAB-ID™ Luminor 1950 Carbotech 3 Days - 49mm)PAM00700」を発表しました。
最近は各社、少しケースを小型化する流れが目立っていますが、「PAM00700」のケースサイズは直径49mmと大型。ケース素材はハイテク複合素材の「カーボテック(Carbotech)」で、防水機能は100m。
カーボンファイバーの薄いシートを、高圧条件下でPEEK(Polyether Ether Ketone / ポリエーテルエーテルケトン)と共に圧縮して製造される複合素材「カーボテック」は、セラミックやチタンなど、腕時計のケース素材として一般的な金属素材と比べ軽量で、かつ外部からの刺激に対する耐性が高く、しかもアレルギーを起こしにくい耐食性に優れた素材です。
カーボンならではのマットな仕上がりのケースに、文字盤も同じく光を吸収し、反射を最小限に抑えるカーボンナノチューブで覆うことで、限りなくブラックな仕上がり。ブルー夜光塗料がポイントの針とインデックスを引き立てます。
搭載されるムーブメントは、パネライ自社製手巻きキャリバー「Cal.P.3001/C」。
ベースになっているのは同社の手巻きキャリバー「Cal.P3001」(21石、21,600回振動/時、パワーリザーブ3日間)だと思いますが、「P.3001/C」(4石、21,600振動/時)は、素材にカーボンをはじめとしたハイテク素材やコーティングを駆使しています。
それによって、ムーブメントを構成する部品間の摩擦を最小限にまで低減、軸受けの石はわずか4つ(4石)。しかも潤滑油が必要ないとのこと。
まず、動力源となる香箱はツインバレルによる3日間のロングパワーリザーブを誇りますが、これにはDLC(ダイヤモンドライクカーボン)を用いた多層コーティングが施されています。また、脱進機の主要部品はシリコン製で、輪列にはこちらも特殊なDLCコーティングが施されます。
このDLCコーティングは様々な場所に使われていて、天真の受石となるルビーの表面にDLCコーティングを施すことによって、インカブロック耐震装置にも潤滑油が必要がなくなっています。
そして、ブリッジとプレートはチタニウムベースのセラミックを結合させた複合材料を用いて製造されます。
このように、耐久性の高い素材と、特殊コーティングを駆使して、潤滑油など劣化の可能性がある要素をムーブメントから排除することで長期にわたって安定して稼働するムーブメントに仕上がったということですね。このモデルの保証期間は、驚愕の「50年間」と公言されています。それだけ耐久性に自信があるということでしょう。
販売価格が今のところ発表されていませんので不明ですが、「Cal.9000」を搭載して、カーボテック素材のケースを採用した「ルミノール サブマーシブル 1950 カーボテック 3デイズ(Luminor Submersible 1950 Carbotech™ 3 Days Automatic - 47mm)PAM00616」が、販売価格200万円程度なので、通常ムーブメントを搭載しているなら同じくらいの価格帯だと思うのですが、「PAM00700」に搭載される「Cal.P3001」ムーブメントはカーボン素材を駆使してとんでもなくコストがかかっていそうですから、倍の400万円~500万円くらいになるんではないでしょうかね。
新たな情報が発信されて、販売価格や販売開始時期などがはっきりしましたらまた追記すると思います。