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A.ランゲ&ゾーネ「プール・ル・メリット」コレクションの新作「トゥールボグラフ・パーペチュアル "プール・ル・メリット"」を発表

トゥールボグラフ・パーペチュアル プール・ル・メリット

A.ランゲ&ゾーネ(A. Lange & Söhne)は、同社のグランドコンプリケーションウォッチコレクション「プール・ル・メリット」シリーズの第5作として、チェーンフュジー機構を持ち、トゥールビヨン、スプリットセコンド・クロノグラフ、パーペチュアル(永久)カレンダーという複雑機構を詰め込んだグランドコンプリケーション「トゥールボグラフ・パーペチュアル "プール・ル・メリット"(A. Lange & Söhne Tourbograph Perpetual "Pour Le Mérite")Ref.706.025」を発表しました。

「トゥールボグラフ・パーペチュアル "プール・ル・メリット"」に搭載されるコンプリケーション(複雑機構)は全部で4つ、トゥールビヨン、パーペチュアルカレンダー、フランス語では「ラトラパント」と呼びますが、わかりやすい言葉でいうとスプリットセコンド・クロノグラフ、そしてムーブメントの動力機構に用いられるチェーンフュジー(鎖引き)機構です。

チェーンフュジー機構について詳しくは下記のページがわかりやすいかと思いますが、「プール・ル・メリット」コレクションの特徴的な機構です。

トゥールボグラフ・パーペチュアル プール・ル・メリット

1994年に「プール・ル・メリット」の名が冠したこのコレクションが発表されて以降、すべての「プール・ル・メリット」コレクションに搭載されてきたこの機構は、超微細なパーツを組み合わせて製作されるチェーンによって香箱からの動力を伝達することにより、チェーンが無段階変速機のような機能を果たしてゼンマイの巻き上げ具合に関わらずトルクを一定に保つことで時計の精度を向上させます。

搭載されるムーブメントは、A.ランゲ&ゾーネにとってトゥールビヨン機構を備えたムーブメントとしては10作目となる手巻きキャリバー「Cal.L133.1」(52石、21,600振動/時)。パワーリザーブは約36時間。

パーペチュアルカレンダーとスプリットセコンド・クロノグラフという超複雑機構を組み合わせたこのムーブメントは、(言うまでもないことですが)その機構だけでなく仕上げも素晴らしく、まさに芸術品と呼べる完成度です。

トゥールビヨンのキャリッジを支える二つのダイヤモンド受石、トゥールビヨン受けに施される「ブラックポリッシュ」(一定の角度で光が当たった時にブラックに見える、非常に手間と技術が必要な特殊なポリッシュ)など、A.ランゲ&ゾーネ伝統の仕上げが施されています。

文字盤はアラビア数字インデックス、ダイヤル周辺に配されたレイルウェイモチーフの分目盛り、クローバー形に配置したサブダイヤルなど、A.ランゲ&ゾーネ伝統の懐中時計へのオマージュが見て取れます。

カレンダーは三つのサブダイヤルで構成されます。まず12時位置のムーンフェイズを含むサブダイヤルは日付、3時位置のサブダイヤルは月、および閏年を表示します。そして9時位置のサブダイヤルで曜日を表示します。

12時位置、日付サブダイヤルの上半分に搭載されるムーンフェイズは、誤差修正が122.6年に一度という高精度。その深いブルーのムーンディスクはゴールド無垢製で美しい仕上がりです。

43.0mmサイズのプラチナケース仕様、50本の限定モデルとして発売され、予定販売価格は480,000ユーロ、日本円にすると約5,800万円です。

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