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ハミルトン、1960年代のハミルトン クロノマチックをインスパイアした「イントラ・マチック 68 クロノグラフ」を発表

ハミルトン イントラ・マチック 68 クロノグラフ(Hamilton Intra-Matic 68 Chronograph)

ハミルトン(Hamilton)から、なかなか興味深いモデルが発表されました。「バーゼルワールド(Baselworld)2017」にて発表されたのは、「イントラ・マチック 68 クロノグラフ(Hamilton Intra-Matic 68 Chronograph)Ref.H38716731」。

ハミルトンは1874年創業の歴史のあるウォッチメーカーですが、1960年代の後半に大きな変化を経験しています。

1966年、マイクロ・ローター式自動巻き機構の特許を持っていたスイスの時計会社、ビューレン(Buren Watch Company)社を買収し、社名をハミルトン・ビューレン(Hamilton-Buren)に変更すると、1969年には創業以来の拠点だったアメリカを離れ、スイスのビエンヌに拠点を移転します。

そして同年、タグ・ホイヤー(当時は「ホイヤー=レオニダス(Heuer-Leonidas)」社、ブライトリング(Breitling)社、デュボア・デプラ(Dubois et Depraz)社と共同で世界初の腕時計用自動巻きクロノグラフキャリバー「キャリバー11(Cal.11)」開発し、同年発表の「ハミルトン クロノマチック(Hamilton Chronomatic)」に搭載しました。

余談ながら、この世界初の自動巻きクロノグラフという点に関しては、「Cal.11」がベースの自動巻きムーブメントにモジュラー構造のクロノグラフをあと載せした、所謂2階建てムーブメントだったことから、同年に発表されたゼニス(Zenith)社の名機 El Primero、もしくはセイコー(Seiko)が発表した「Cal.6139」の方が世界初なんじゃないかという議論はあるんですけどね。

さて、話を戻します。

で、今回発表された新作クロノグラフ「イントラ・マチック 68 クロノグラフ Ref.H38716731」は、上記、1969年発表の「ハミルトン クロノマチック」からインスピレーションを得て復刻されたもの。

オリジナルの「ハミルトン クロノマチック」は、本体の左側(9時位置)にリューズがあり、右側(2時/4時位置)にクロノグラフ操作用プッシュボタンが並ぶという少し変わったレイアウトが特徴だったのですが、そこは通常のリューズ、プッシャーが右側に並ぶレイアウトに変更されています。

ケース素材はステンレススティール。ケースサイズは42mm。防水性能は10気圧防水です。

特徴的な文字盤デザインは、1969年当時、「Chronomatic A」「Chronomatic B」として2種類のパンダダイアルが発表されていたうちの逆パンダ(黒ダイアルに白のサブダイアル)ダイアルバージョンをベースとして復刻されています。

搭載されるムーブメントは、ETA社の「Cal.7753」をベースに開発されたハミルトン社製「Cal.H-31」(27石、28,800振動/時)。パワーリザーブは約60時間。3時位置に30分積算計、6時位置にデイト表示、9時位置にスモールセコンドを搭載。

世界限定1,968本で発売され、予定販売価格は1,995ユーロということで、日本円にするとおよそ24万円です。

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