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スウォッチ「Sistem51」の金属ケースモデルがオンライン先行販売開始、「Sistem Tux」を購入してみた

先日紹介した、スウォッチ(Swatch Group)の低価格・メンテナンスフリー機械式腕時計コレクション「Sistem51(システム51)」に新たに追加された金属ケースモデル「Irony」コレクション([参考記事](/article/160821142823/))ですが、8月26日より、スウォッチの公式オンラインストアにて、先行販売が開始されました。

早速、1本試してみようということで、コレクションの中からコンビモデルの「Sistem Tux」(YIS405G)を購入してみましたが、手元に届きましたのでファーストインプレッションなどをレビューしてみたいと思います。まだ届いたばかりで普段使いしていないため、パワーリザーブや長期間使った場合の耐久性などについては今後何かあれば追記したいと思います。

Sistem Tux

価格

私が購入した「Sistem Tux」(YIS405G)は、公式オンラインストアでの販売価格が 31,320円(税込み)です。同コレクションの、レザーストラップ仕様のモデルが、22,680円(税込み)、同じステンレススティール製ブレスレット仕様の「Sistem Boreal」(YIS401G)が 24,840円(税込み)ということで、この価格差は、ステンレススティール製ブレスレットの価格と、ゴールドのメッキ仕様によるものだと思われます。

自動巻き、ステンレススティールケースを採用したモデルとして、この価格帯は十分魅力的な価格だと思います。セイコー社が海外向けに販売している「セイコー5」シリーズなど、1万円弱~2万円以内で購入できるモデルも存在しますが、ほぼそれらと同じ価格帯ながら、かなり存在感のあるケースサイズ、デザインになっているため、ファッションと合わせて楽しむ低価格機械式腕時計としては面白い存在といえます。

パッケージ

プラスチックケースの Sistem51 は、ストレートタイプのパッケージに入っていましたが、金属ケースモデルは下記のような、ケースに収納されて販売されます。

Sistem Tux パッケージ - 購入した時の状態

外側の紙ケースには「Sistem51 Irony」の名称が。

Sistem Tux パッケージ - 購入した時の状態

Sistem Tux パッケージ - 購入した時の状態

上の写真だと緩衝材で中身がわかりにくいので、緩衝材と紙ケースを外すと、下記のようにプラスチックケースに収められていることがわかります。

Sistem Tux パッケージ - 緩衝材を外した状態

プラスチックケースを開くと時計がお目見え。時計の下側に、説明書やステンレススティールブレスレット仕様のモデルの場合で、購入時にサイズ調整を依頼した場合は、外した駒などが収められています(注文時の駒調整については後述)。

Sistem Tux パッケージ - ケースを開けた状態

ステンレススティールケースに、ゴールドメッキのベゼルの組み合わせで少しフォーマルなイメージのデザイン。

Sistem Tux 近影

バックルには「Swatch®」の刻印。バックルの付け外しは、ちょっと力がいる感じで、まぁ安い時計のバックルは概ねこんな感じかなというところ。価格相応で特に不満は感じません。

Sistem Tux のバックル

ファーストインプレッション

さてここからは時計をケースから出して、色々見てみます。

文字盤のカラーはウェーブの模様が入ったブラック。この波模様のプリントはよく見ると少し立体的に仕上げてあります。針はゴールド仕様ですが、粗目加工がしてあって、変にギラギラしておらず、落ち着いた雰囲気。針の長さもしっかりインデックスに届いていて個人的には好きな長さです。3時位置にはデイト表示。

Sistem Tux 外観

ケースの加工はこれも価格相応かと。エッジはダルダルで、シャープな印象は皆無ですが、この価格帯の時計にケースの仕上げを求めても仕方ないので、そういうものだと思った方がよいです。

ケース経は45mmと、かなりサイズ的には大きいです。厚みも13.80mmありますので、結構なデカ厚時計といってもいいんじゃないでしょうか。

ラグの形状が少し特殊です。3連の特殊なラグ形状ですので、社外のブレスレットに自由に交換するといったことはほぼ不可能と考えた方がよいでしょう。

ブレスレットは5連のジュビリーブレスですが、各駒は巻き板ではなく、無垢(あくまで見た目上は)になっています。ベルト調整方法はオーソドックスな割ピン形式です。

ブレスレットの中駒、ゴールドの駒は、表面のみメッキがされていますので、隙間からサイドを見ると、ステンレススティールの地肌がそのまま出ています。その分、各駒のすりあわせは比較的精度が高く、ブレスレットが無駄にぐらぐらするような感じはありません。この価格帯の腕時計の金属ブレスレットとしてはかなり出来が良いのではないでしょうか。

Sistem Tux 外観

重さは、143g ありますが、このサイズと金属ブレスレットということを考えれば普通かと思います。

Sistem Tux の重さを測定

ケースバックはシースルーバック仕様で、Sistem51 心臓部を見ることができます。このムーブメントは Sistem51 の名前の由来にもなっている「51」のパーツで構成された自動巻きムーブメント。21,600振動、パワーリザーブ90時間、日差約+/-10秒。

組み立てはすべてオートメーション化され、人の手を介さずに時計に組み込まれます。一番外側に見えるリング上のパーツが自動巻きのローター(回転錘)です。

Sistem Tux シースルーバックの様子

ブレスレットを近くから撮ってみましたが、いいカメラ使って撮っていないのでわかりにくいですね......

Sistem Tux ブレスレット近影

総括

全体的に見れば、コストパフォーマンスは良いと思います。自動巻きムーブメントを搭載した、ステンレススティールケース仕様の腕時計、スウォッチというブランドを考えれば、この価格帯で購入できる選択肢を増やしてくれたことに感謝したくなるコレクションかと。

Sistem Tux

もちろん、普段からハイエンドな腕時計に触れている人にとってはムーブメントも、ケースやブレスレットの作りも仕上げもお話にならないレベルだとは思いますが、このコレクションのターゲットはそういう人たちではないですからね。

特に若い人が機械式腕時計に初めて触れる機会を作るという意味でも面白いコレクションかもしれません。クォーツ時計にはない機械式腕時計の面白さを、こういう低価格で、ある程度しっかりした品質を持った腕時計をきっかけに感じて欲しいなと思います。

金属ブレスレットの調整

スウォッチの公式オンラインストアで金属ブレスレット仕様のモデルを購入する場合、「サイズ」を選択する項目があります。ここに、自分の腕周りを測った数値を選択すれば、発送時にあらかじめブレスレットの長さを調整した上で送ってくれますので便利です。

メジャーやひもなどを使って、腕周りを測りますが、ぴったりで測って大丈夫です。男性なら17cm~19cmくらいになるのが標準かなと思いますが、駒調整は通常、指定された数値に対して少しゆとりがあるように調整されます。あまり最初から緩いサイズで注文すると、ゆとりがありすぎて自分で駒詰めしないといけなくなりますので注意しましょう。

もちろん、レザーストラップ仕様のモデルはサイズ関係ないので測る必要ないですよ。

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