Frequency Feeling... - 機械式腕時計のファンブログ

腕時計を購入するときにリセールバリューは一切気にしない主義

この記事は「腕時計 Advent Calendar 2016」第7日目の記事です。

腕時計を購入する際に、リセールバリュー(その腕時計を中古として売却する際の価格、再販価値)を気にして購入するという考え方があります。

購入した腕時計を自身のコレクションとして楽しんだ後でも、新品購入価格からそれ程変わらない価値で売却できれば、当然お得ですし、その資金を基に、また新しいモデルを購入したりと、腕時計の楽しみ方も広がります。

また、一部の腕時計については、中古品でも全く価格が落ちない、あるいは逆に中古品の方が市場価値が上がるといった特殊なモデルも存在します。「腕時計投資」なんていう、リセール時に価値が上がっていることを見越して腕時計を選択する楽しみ方をしている方も世の中にはいらっしゃいますので、ひとくちに腕時計趣味と言っても楽しみ方は人それぞれだと思います。

もちろん、リセールバリューを考慮した購入モデルの選択について否定するつもりは全くありませんが、私個人的にはあまりそこを考えて腕時計を購入したことはありません。というのは、私は購入した腕時計を「売却する」という考えが基本的にないというのが大きいと思います。

これはコレクションに対する人それぞれのこだわりだったり考え方の違いだと思うのですが、腕時計にしても何にしても、好きでコレクションしたものを処分(売却も含めて)したことが今までないんですよね。手元に置いておきたいという考えが強いようです。まぁその性格のおかげさまで私の部屋の書棚は古本屋が開けるんじゃないかというくらいの書籍と音楽CDで大変なことになっていますけども(私、読書と音楽鑑賞も趣味なもので)。

ほとんどの腕時計はリセールバリューが低い

一部の数百万円、数千万円する超高級モデルや余程の人気限定モデルは別として、100万円くらいまでで購入可能な腕時計のリセールバリューはあまり期待しても仕方ない程度しかありません。100万円近く出して買った腕時計も、2、3年経って時計専門店に持ち込めばよくて2、30万円、ブランドやモデルによっては10万円程度なんていう残念な買取価格しか提示されないでしょう。

それを嫌ってオークションや販売委託を利用して売却を考える方も多いみたいですが、オークションは購入者側からみれば保証がないのとリスクが高い分、時計専門店と同じような価格設定をされてもまず売れませんし、販売委託もやはり委託金額が高すぎればいつまでも売れ残ってしまいます。難しいものです。

再販価値が落ちないブランドとしてはロレックス(Rolex)かパテックフィリップ(Patek Philippe)くらいじゃないですかね。とはいえ、ロレックスもモデルによりますし、パテックフィリップはリセールバリューの高さだけを目当てに購入するには高額すぎて普通の人は手が出ません。

そう考えると、あまり過度にリセールバリューばかりを考えてしまうと、腕時計を購入する際の選択肢が極端に狭まってしまいそうですね。「腕時計は欲しいと思ったモデルを欲しいと思った時に」が信条の私としてはやはり、リセールバリューは気にせず楽しむ方が性に合っていると思います。

逆に言えば購入するモデルさえ吟味すれば、数年後、数十年後に価格が大きく上がる可能性を秘めたモデルもあると思いますので、そういう視点で楽しむ方がいるというのも同時に頷けますが。

実際に、手巻きのデイトナをはじめとしたヴィンテージロレックスやオールドパテックなんかはすごい値段が付いていたりするわけですし、値段は低いですけども、私がコレクションしているヴィンテージの「セイコー 5 スポーツ」なんかは、当時は1、2万円で売られていたものが、今は6、7万円から、人気のモデルだと15、6万円で取引されているわけですから、時間の経過によってはわかりません。まぁ、何十年もの間、コンディションを保ちながら保管する必要はあるので簡単な話ではありませんけども。

腕時計のリセールバリューを高めるために

上で「リセールバリューなんか気にせず腕時計買おうぜ」的なことを書いておいてなんですが、とはいえ一流ブランドの腕時計の強みは、いざとなったときにある程度の価格で売却できることでもあります。

困ったときにお金に換えられる、しかもその価値が他の物に比べて落ちにくい(例えば家電なんかどんな高級品でも数年でほぼ無価値ですからね)というのは腕時計の特徴的、かつ特殊なところだと思います。

そのためにも腕時計は丁寧に扱い、適切にメンテナンスしてコンディションを保つこと、さらにメンテナンスの記録はきちんと残すことや、付属品など含め大切に保管しておくことがいざ時計を売却するとなったときに、そのリセールバリューを高める重要なポイントになります。

オーバーホールをきちんとそのブランド正規の窓口を通して行っていれば売却時にもプラスになりますし、付属品がそろっているかいないかで査定に大きく差が出る場合もあります。

リセールバリューばかり気にしていても腕時計趣味は楽しくないですけども、折角のコレクション、その価値を落とさないためにできることは多いですから、気を遣ってみると良いと思いますよ。

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