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いつかは手に入れてみたい憧れの腕時計ブランド - その3 「リシャール・ミル(Richard Mille)」

この記事は「腕時計 Advent Calendar 2016」第10日目の記事です。

リシャール・ミル (Richard Mille) は、ブランド名にもなっているリシャール・ミル氏によって2001年に設立された腕時計ブランド。

腕時計ブランドとしてはまだ新興ブランドですが、「腕時計のF1」を自称するその妥協を許さない腕時計制作によって、設立から10年程度で名だたる有名老舗ブランドと肩を並べるレベルの認知度までブランドを成長させました。

リシャール・ミル氏自身は時計師ではなく、自らを「ウォッチ・コンセプター」と呼び、時計製造はもちろん、様々な分野のプロフェッショナルをコラボレートして氏が考える最高の腕時計を作り上げるという手法で発表したその個性的、かつ斬新さで時計愛好家達を驚かせ、多くのファンを獲得しています。


実をいうと、個人的にリシャール・ミルが作る腕時計のデザインはそれ程好みではありません。やはり癖がありすぎるというか、個性的すぎて腕時計の存在感が主張しすぎる感が強いです。もちろん、付ける人を選ぶ腕時計ですから、私ごときがというのはあるんですけども。

それでも一度は手に入れてみたいなと思うのは、その腕時計作りに関する妥協なき姿勢に感銘を受けるから。

リシャール・ミル氏が思い描く腕時計を実現するために、一切の妥協をせず、素材選びからこだわり抜き、その時点で考えられる最高(最驚かな)の腕時計を作り上げる。しかもトゥールビヨンをはじめとする複雑、かつ繊細な機械を載せていながらも普段使いどころかアスリートが競技中に身に付けていても問題ないという耐衝撃性や、その状況下でも狂わない精度、さらには競技中に気にならないほどの装着感を両立させるというもはや狂気(褒め言葉)を感じる程の腕時計です。

そこまで妥協せずに作られた腕時計、腕時計好きなら一度は実際に自分の腕に装着してみたいと思うのが悲しい性(さが)。お値段的に一生手が届くことがない可能性もありますが、毎回新作が楽しみなブランドのひとつです。

リシャール・ミル フェリペ・マッサ モデル

私、こどもの頃からF1が好きで今でも欠かさず見ているので、リシャール・ミルのモデルの中でも、F1レーサーのフェリペ・マッサ選手(残念ながら今シーズン限りでF1を引退しました)とのコラボレーションで生まれた「フェリペ・マッサ モデル」は気になります。

実際にこれらモデルはレース中にマッサ選手が着用し、レース中の振動や重力加速度にも耐えられる設計になっているとのこと。F1中継でもマッサ選手のレーシンググローブの上にマッサモデルが装着されているのを確認することができます。

もちろん、現在のF1において、ドライバーが自分の腕時計でタイムを計測したり確認したりということはしませんので、実際には装着しているだけでレース中に使っているわけではないのですが、近代のF1において、走行中にドライバーにかかる重力加速度は最大で4.5Gにもおよびます。

つまり重力の4.5倍もの力が最大でかかってくるとんでもない過酷な状況でドライバーは戦っているわけですが、このような環境では、腕に装着したたった数百グラムの腕時計ですら、ドライバーにとっては負荷になる可能性がありますし、当然時計内部の部品にかかる力で精度が著しく低下したりする可能性もあるわけです。

そんな条件下でもドライバーの負荷にならない装着感、軽さ、さらに精度を保つ腕時計というのがどれだけすごいものなのか、一度体験してみたいものです。

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