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パネライ、アモルファス金属素材「BMG-Tech」をケース全面に採用した「ルミノール サブマーシブル 1950 BMG-Tech 3デイズ オートマティック」を発表

ルミノール サブマーシブル 1950 BMG-Tech 3デイズ オートマティック

オフィチーネ パネライ(Officine Panerai)は、「ルミノール サブマーシブル 1950」コレクションの新作として、アモルファス金属素材「BMG-Tech™」をケース全面に採用した「ルミノール サブマーシブル 1950 BMG-Tech™ 3デイズ オートマティック(Luminor Submersible 1950 BMG-Tech™ 3 Days Automatic - 47mm)PAM00692」をSIHH 2017において発表しました。

今回の発表では、カーボン素材を駆使して驚異的な長期動作保証を実現した「LAB-ID™ ルミノール 1950 カーボテック 3デイズ(LAB-ID™ Luminor 1950 Carbotech 3 Days - 49mm)PAM00700」も同時に発表されていますが(下記記事参照)、パネライは新素材の積極的な採用を推し進めているようです。


アモルファス金属(Amorphous metal / 非晶質金属)というのは、ガラスのように元素の配列に規則性がなく、全く無秩序な金属のことです。ですので「金属ガラス」などと呼ばれることもあります。

アモルファス金属の特徴としてはその強靱性、耐食性、軟磁性が挙げられ、これは腕時計、特にルミノール サブマーシブルのようなダイバーズウォッチにとってはとても親和性が高い素材と言えます。

アモルファス金属は、元素配列に規則性がある通常の金属結晶と比べて強度と粘りを両立することができるほか、添加する素材によって強固な被膜を形成し、高い耐腐食性を実現することができます。

ただし、今回のような腕時計のケースなど、工業製品を製造するために必要なアモルファス金属のバルク素材を生成するには難易度が高く、アモルファス金属の発見自体は数十年前にされていたものの、腕時計の素材として大々的に使用されることは今までほとんどありませんでした(ちなみに電子機器など、小型のパーツにおいては古くから用いられています)。

今回発表された新作は、このアモルファス金属を、ケース本体(ケースサイズは47mm)、ベゼル、リューズと、外装パーツ全体に使用しているのが特徴。

これにより、優れた堅牢性、耐腐食性、耐衝撃性に加え、磁気に対しても高い耐性を備え、時間が経ってもその外観の美しさが保たれることが期待されます。防水性能は300m防水。

ルミノール サブマーシブル 1950 BMG-Tech 3デイズ オートマティック

搭載されるムーブメントは、パネライ自社製自動巻きムーブメント「Cal.P.9010」(31石、28,800振動/時)、パワーリザーブは3日間という、パネライお得意の「3デイズ」ロングパワーリザーブ。

カウチュ(天然ゴム)製のブラックラバーストラップとの組み合わせ、ダイアルはブルーカラーで、3時位置にデイト表示、9時位置にスモールセコンドというダイアルレイアウトになっています。

予定販売価格は1,070,000円(税別)とのこと。希少な新素材を採用している割りにはリーズナブルな価格帯で手に入りそうです。

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